2008年より個人のセッションを始めて、最近、歴代最高年齢のお客様がいらしてくださいました。
昭和9年のお生まれ、御年84歳。
私の親と同世代の大先輩。
ご主人様をお見送りされ、自分の人生はどんなだったのか知りたいとお越しくださいました。
長男さんが亡くなってしまう家系にあって、やはりおひとりお嬢様しか育たなかったそうで、なにかあったら大変と、親戚一同が注目される中での育児は、体に変調をきたすほどのプレッシャーだったそうです。
しかし、そのお嬢様も原因不明の難病となるのですが、幸いにも原因が解明され、日本で初めての完治された患者さんとなられたと。家系ってあるのだなと思うのです。
ご主人様も体が弱く看病することもあり、ご自身の人生は人の世話をして過ごしているような気がするとおっしゃっていました。
ご主人様のチャートは拝見していないのですが、ご本人様とお嬢様のチャートはご縁の深さが感じられるものです。
病気を理由に自分で生きていけない子供になっていはいけないと、お勉強や学校のことは一切手伝わなかったとおっしゃっていらして。
お嬢様もハードアスペクトの中にキラッと楽天的な星があったお陰で、子供の頃のご病気など様々な難関に負けることなく、人生を切り開かれているのも、お母様の強いサポートのお蔭ではないかと感じるのです。
この方は家族の命を守り、育てる人生であったと同時に、お仕事を通して、多くの方に豊かさを伝えた人生と言えると思います。
同じ星のチャートでも、年輪を重ねたお話を聞きながら見ると、深く感銘をうける物語となります。
奇しくも、84年で天を一周する天王星がご本人のネータルチャートとぴったり重なる日にお越しくださり、ネータルの土星はサインも度数もほぼ私の土星と同じ場所。ということはぴったり土星1周30年違い。
子供の頃のきな臭い時代を、今に感じるとおっしゃっていました。
「小学校には行ってないの。1年生の時から国民学校だったから。」
「3.11の時だって食べ物がなくなるんじゃないかなんて、全然心配しませんでした。あの時代を知っていますから。なんでも食べられるんですよ。」
このような機会を頂けたことは、私のアストロロジャーとして経験に深い学びを頂くことができました。
アストロロジーに関わるものは、チャートを通じて時代の空気を感じ、より良い時代にするために微力でも一生懸命に星の中に答えを読んでいくことが必要だと思うのです。
最後にタロットを体験されて、
「わたしは最後まで毅然とこのままでよいのですね!わかりました!」と。
ご近所の方々に愛され、お世話を惜しまない気さくなお人柄。
人生をどう生きるか。どう死ぬか。
同じことだと思いますが、やはりこの方のようにやり切って、言い訳なしに生き切りたいと思いました。